東芝跨座式モノレール
奈良ドリームランド スペースライナー
物件の所在地:奈良県奈良市(?)
あし:近鉄奈良駅またはJR奈良駅よりバスが運行されています。
戦後、日本ではモノレールの開発が盛んになった。
日本車輌、日立製作所、三菱重工、川崎航空機がそれぞれ
海外のメーカーと手を組んだりして開発を進めていた。
電機メーカーの一翼をになう東芝も黙ってはいなかった。
日立と同じアルウェーグ方式を参考に、
独自のシステムの開発を始めたのである。
(中島みゆきが聞こえて来そうな展開だなあ・・・毎回かな?)
実験線は遊園地の中に建設された。
運行が停止しても影響が少なく、
多くの人の目に触れるために宣伝になる。
遊園地としても出来の良い遊具が安く手に入る。
そして建設されたのが今回紹介する
「奈良ドリームランドモノレール」である。
(この物語は実話なのです)

これが駅舎である。
本格的な設備であることが判る。
しっかり軌道は高い所に設置され、
実用化実験の意味を感じさせるのだ。

などと言っている間に行ってしまった。
現在の車両は当時の実験車両ではない。
(現物は東芝が保管らしい)
しかしその雰囲気を十分に伝えているのだ。

まるで故小松崎茂画伯の描くところの
未来鉄道のようなモノレールなのだ。
「失われた未来」。ある世代の人には
とても懐かしいものである。

ここの軌道はエンドレス。
「走る東芝」であると同時に「回る東芝」なのだ。
ついでに言うなら、技術が「光る東芝」であるし、
未来を「謳う東芝」なのである。

ホームに到着。
なかなか格好いいスタイルなのじゃ。
(いつもの乗りになってきた・・・)
スモークガラスを採用している。
このライトは使うことがあるのだろうか?

この幌、まるで小田急ロマンスカーみたい。
窓は車体にそってカーブを描いている。
側面には戸締め表示灯も装備。
中間車は2扉なのじゃ。

室内は一方向向けクロスシート。
ビニール張り。
結構天井は低いのだが、何かが違う。
やはり現在の車両も「未来への挑戦」を
目指しているのか?

これが運転台なのじゃ。
柵で仕切られているが、眺めは良さそう。
当然この車両(一両目)に
人気が集まるのであります。

後ろはこうなっているのじゃ。
まるで展望座席。
これじゃシーズンにはガキ・・
いやお子さまには大人気の事でしょう。

車内をもう一枚。
消火器も装備されておるのじゃ。
貫通扉はない。
小さすぎるからだ。
この雰囲気、外国の車両も思わせるなあ。

エアコンも装備している。
天井には蛍光灯も。
やはり「実用化実験機」の精神を
忘れてはいない。

走行中の後部の眺めなのじゃ。
速度はゆっくりしたものじゃ。
でも園内を見るのには最高の乗り物かも?

お約束(?)
のコントロールパネル。
係りの人のご厚意で見せてもらえたのじゃ。
感謝感激。
一本のコントローラーで操作可能。
点検したばかりなので、これからも走行する
との事。
がんばってほしい。
その後、東芝のモノレールはどうなったのか?
日立アルウェーグや三菱サフェージュは成功を収め、
日本車輌と東京都交通局の組んだモノレールは、
上野動物園で活躍中で新車も投入された。
川崎ロッキードのモノレールも最近まで活躍していた。
それなのに・・・
東芝方式のモノレールは、大船駅から横浜ドリームランドへの
アクセスの為に本格導入された。
しかし桁にひびが入っているのが見つかり、
運行を停止させられてしまう。
車両の出力と重量をアップしたが、
桁を強化しなかった為といわれる。
現在も大船ドリーム交通は「運行休止中」らしい。
しかし桁の撤去が一部で行われている。
(車庫だった部分のみだそうです)
「リニアモーターカーとして復活」が騒がれた事もあったのだが・・・
そんな夢の残り香が奈良ドリームランドを今日も
走っているのである。
2004年追加分
大船の旧ドリーム交通は正式に廃止となっています。
桁の一部撤去も現実のものとなってしまいました。
また奈良ドリームランド内「スペースライナー」の運行も、
停止されてしまったようです。
(私は現地確認はいたしておりません)
また一つ時代が終わったのでしょうか。
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